米政府、日中韓にLNG融通を打診 欧州の調達支援

【ヒューストン=花房良祐】バイデン米政権は欧州に液化天然ガス(LNG)を融通できるかアジアの主要な輸入国に打診した。日本や中国、韓国、インドの各政府と協議したという。ウクライナ情勢の悪化を受け、ロシア産ガスに依存する欧州の分散調達を支援する。
米ブルームバーグ通信が伝えた。米政府はLNG生産国のカタールやエジプト、ナイジェリア、リビアと増産や欧州向けの輸出増加について協議したが、長期契約で購入する企業のLNGについては同意がなければ輸出先を欧州に変更できない。
LNGの輸入量は国別で中国、日本、韓国、インドがランクインする。LNGの産地や調達時期を変更する「スワップ取引」も議題にあがっているようだ。中国とは初歩的な協議にとどまっているとも報じられた。
欧州は天然ガス消費量の3割をロシア産に依存する。米欧はロシアがウクライナに再侵攻すれば大規模な金融・経済制裁に踏み切る構えで、ロシアが対抗措置として欧州向けの天然ガスを停止する恐れがある。
米は天然ガスの供給不足と価格高騰を防ぐため、欧州の調達を支援する。バイデン米大統領は1月31日、ホワイトハウスでカタールのタミム首長と会談し、LNGの安定供給策を協議した。このほか中東や北アフリカなど複数国とも欧州向けLNGの供給増加について協議を進めている。
松野博一官房長官は3日の記者会見で、ブルームバーグの報道について「承知している。米国や欧州各国との間で日頃より様々なやりとりをしているが、外交上のやりとりの詳細は差し控えたい」と述べた。
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