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「核戦争は起こさない」 中ロ、核めぐる批判に反論

NPT再検討会議で高官演説

(更新)

【ニューヨーク=白岩ひおな】核拡散防止条約(NPT)の再検討会議で2日、ロシアと中国が演説した。ロシア外務省のビシュネベツキー不拡散・軍備管理局次長は「ロシア主導で核戦争が起こることは決してない」と述べ、ウクライナ侵攻をめぐり核使用をほのめかし威嚇したとの批判に反論した。中国外務省の傅聡軍縮局長は「核戦力の規模を競うことはない」と強調した。

ビシュネベツキー氏は、核兵器を使用せず、使用する恐れもないという義務を「ウクライナに関してここ数カ月を含め、完全に履行している」と弁明。核戦力を行使する条件は①国家の存立が脅かされる②大量破壊兵器を含む侵略に対応する③通常兵器を含む侵略に対応する――場合に限ると説明した。一方で、核による抑止に言及し「西側諸国がわれわれの決意を試そうとするなら、引き下がらない」と警告した。

NPT再検討会議は1日にニューヨークの国連本部で開幕した。ビシュネベツキー氏は「安全保障分野でのロシアのレッドラインを無視する米国の政策が(核軍縮をめぐる対話の)前向きな進展を軽んじる結果となった」と述べ、米ロ間の核軍縮交渉の停滞の責任が米国にあると非難した。

ロシアの前に演説した中国の傅氏は「核戦争には勝てず、戦ってはならない」と述べ、核保有国は核戦争を防止し、軍拡競争を回避するために協力すべきだと語った。核戦力の増強への批判については「最大の核保有国が特別な責任を負い、核兵器の大幅な削減を実施すべきだ」と求めた。世界の核弾頭数の9割を占める米ロの核軍縮交渉が進まなければ、他の核保有国が核軍縮を実行する条件は整わないとの立場を明確にした。

北大西洋条約機構(NATO)型の核シェアリング(共有)のアジア・太平洋地域への導入論については「地域の戦略的安定を損なうもので、厳しい対抗措置に直面することになる」とけん制。「米国は欧州からすべての核兵器を撤退させ、他の地域への核兵器の配備を控えるべきだ」と主張した。

原子力の平和利用をめぐり、日中が応酬を繰り広げる場面もあった。中国の傅氏は日本の東京電力福島第1原子力発電所事故でたまる処理水の海洋放出に懸念を表明し、「近隣諸国と国際社会の正当な懸念に真摯に対応し、適切な解決策を見いだすべきだ」と述べた。

答弁権を行使した日本の小笠原一郎軍縮大使は、中国が「汚染水」との言葉を使ったことに「放射性物質の濃度は規制基準をはるかに下回る」と反論し、国際法にのっとった措置だと説明した。東電はすでに原子力規制委員会から計画の認可を受けており、2023年春ごろの放出開始をめざしている。

中国はイラン核合意の再建協議では「まず米国が対イランの違法な制裁を完全に解除したうえで、イランも新たな公約を順守する必要がある」と語った。原子力潜水艦の技術供与を含む米国と英国、オーストラリアの安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」については「深刻な核拡散リスクをもたらす」と懸念を示した。中東に非核地帯を設ける構想には中ロ両国とも支持を表明した。

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