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米東部、記録的豪雨で死者40人 NYは交通マヒ続く

(更新)

【ニューヨーク=大島有美子】米東部ニューヨーク州やニュージャージー州などを米東部時間1日夜(日本時間2日午前)から2日未明にかけて記録的豪雨が襲った。道路の冠水や家屋の破損といった被害が相次ぎ、米メディアによると少なくとも40人が死亡した。

米南部を襲った大型ハリケーン「アイダ」が熱帯低気圧に変わり、東部で豪雨をもたらした。ニューヨーク、ニュージャージーの両州は1日深夜から2日未明に非常事態宣言を出した。

降水量はニューヨーク市中心部のセントラルパークで1時間に3.15インチ(約8センチメートル)と過去最多になった。多くの場所で、9月の月間降水量を超える雨が一夜で降り、米国立気象局は鉄砲水の警報をニューヨーク市に初めて発令した。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、水が流れ込んだ住居の地下から逃げ遅れたりして少なくとも40人が死亡した。降雨が短時間に集中し、非常事態宣言の発令も深夜だったため、迅速に避難できず被害が拡大したとみられる。

ハリケーン「アイダ」が直撃した南部ルイジアナ州などは少なくとも4人の死者が確認されているが、東部での犠牲者はこれを大きく上回った。

米国内の停電状況を追跡するパワーアウテージ・ドット・USによると、2日午後5時時点でニューヨークとニュージャージー、ペンシルベニアの3州で合計約11万世帯が停電している。通信障害も広域に及んでいる。

交通網への打撃も深刻だ。中心部のマンハッタンでは地下鉄の駅に濁流が流れ込んだ。地下鉄はほぼ全線で部分的もしくは全面的に運行が停止した。列車は首都ワシントン―ボストン間で2日の運行を休止した。同路線はフィラデルフィアやニューヨークを通り、ビジネス客の利用も多い。

ニュージャージー州のニューアーク国際空港は1階部分に浸水し、2日は約370便がキャンセルとなった。ニューヨーク州などは非常事態宣言の発令に伴い、住民に不要不急の車の運転を控えるよう求めている。

ニューヨーク地下鉄を運営するニューヨーク州都市交通局(MTA)のジャンノ・リーバー会長は2日、米CNBCの取材で「気候変動による鉄砲水が起きても地下鉄に多くの水が流れ込まないよう、路面の排水能力をもう少し高めるべく市政府と連携する必要がある」と述べた。

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