NYタイムズ、総読者数1000万人突破 3年前倒しで達成

【ニューヨーク=清水石珠実】米新聞大手ニューヨーク・タイムズ(NYT)は2日、1日時点で電子版や紙媒体、アプリの利用者を合わせた総有料読者数が1000万人を超えたと発表した。1月に合意したスポーツ報道専門サイト「ジ・アスレチック」の買収が完了し、同サイトの有料読者数が上乗せされた。NYTは「2025年に総有料読者1000万人」を経営目標としてきたが、3年前倒しで達成した。
2日に発表した21年10~12月期の決算発表で明らかにした。新たな経営目標は「27年末時点で1500万人」とする。NYTのメレディス・コピット・レビアン最高経営責任者(CEO)は、「英語でニュースやスポーツ情報などを有料購読する市場は世界で少なくとも1億3500万人」とし、まだ成長余地があるとした。
NYTは最近、読者増に貢献する他社の買収に力を入れる。1月上旬にジ・アスレチックを5億5000万ドル(約630億円)で買収すると発表した。同サイトは地方のスポーツチームなども網羅し120万人の有料読者を抱える。同月末には英語圏で人気の単語当てゲーム「Wordle(ワードル)」を買収した。
21年10~12月期の決算は、売上高が前年同期比17%増の5億9423万ドル、純利益は約7倍の6988万ドルとなった。1株利益は0.41ドル。特殊要因を除くと0.43ドルで市場予想(0.35ドル程度)を上回った。21年通期決算は売上高が16%増の20億7487万ドル、純利益は約2倍の2億1997万ドルだった。
21年12月末時点の電子版の有料読者数は586万7000人だった。そこにクロスワードや料理レシピなどのアプリを合わせたデジタル有料会員数は計800万5000人となった。紙媒体も加えた12月末時点の総有料読者数は1年間で16%増え878万9000人だった。