5月の米雇用12.8万人増、伸び大幅に鈍化 民間調査

【ワシントン=長沼亜紀】米民間雇用サービス会社ADPが2日発表した5月の全米雇用リポートによると、非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は12万8000人増にとどまった。下方修正された前月の20万2000人から伸びは大きく鈍化し、ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(29万9000人程度)も大幅に下回った。

増加幅の縮小は3カ月連続で、雇用拡大ペースの減速が鮮明になった。業種別ではレジャー・ホスピタリティー分野が1万7000人増で、増加幅が前月から3万人縮小した。専門・ビジネスサービスは2万3000人増で、増加幅が1万8000人小さくなった。製造業は2万2000人増で、伸びは前月とほぼ変わらなかった。
事業所規模別では大企業が12万2000人雇用を増やした半面、小規模事業所は9万1000人減らした。賃上げや柔軟な勤務時間など労働者が望む待遇を提供するのが難しい小規模事業所の苦戦が続いた。
経済調査会社キャピタル・エコノミックスのエコノミストは、失業率が4%を下回っている状況で、労働供給が急増しない限り大幅な雇用拡大は持続不可能だとして、雇用増の減速は当然だと指摘した。
労働省が3日発表する5月の雇用統計で、市場は非農業部門の雇用者数が32万8000人程度増加すると予測している。