4月の米製造業景況感、1.7ポイント低下 供給制約が重荷

【ワシントン=長沼亜紀】米サプライマネジメント協会(ISM)が2日発表した4月の米製造業景況感指数は55.4で前月から1.7ポイント低下した。2カ月連続の低下で2020年9月以来1年7カ月ぶりの低さとなった。供給制約とインフレが足かせとなり、製造業の成長が鈍り始めたことを示唆した。
前月からの上昇を見込んだダウ・ジョーンズまとめの市場予測(57.8程度)を下回った。指数を構成する5項目のうち「入荷遅延」以外がすべて低下した。「新規受注」が53.5で0.3ポイント、「生産」が53.6で0.9ポイントそれぞれ低下した。
「雇用」は50.9で5.4ポイントと大きく低下した。企業は離職・退職が増える一方、新規採用が改善せず、労働力を十分に確保できないと報告した。「在庫」も51.6で3.9ポイント下がった。

一方「入荷遅延」は67.2で1.8ポイント上昇した。ISMは、需要は依然強いものの「海外の提携企業が新型コロナウイルス流行の影響を受けており、短期的に米製造業の逆風になっている」と指摘。夏にかけてアジアからの供給に懸念を示す企業が増えたという。
回答企業は「上海の(コロナ対策による)封鎖の影響が、中国のほかの地域の供給業者に波及しており、港の混雑もまだ続いている。インフレは制御不能になっている」(化学製品分野)、「新規受注と不安定な供給のせいで受注残が増え続けている。部品不足が生産を妨げている」(電子機器・製品・部品分野)などとコメントした。