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トランプ氏、復権に影 一族企業の「金庫番」が起訴

一族企業や経営幹部の起訴はトランプ前米大統領の復権に打撃に=ロイター

【ワシントン=永沢毅】トランプ前米大統領の一族企業「トランプ・オーガニゼーション」の不正疑惑を巡る捜査は1日、トランプ氏の「金庫番」とされるワイセルバーグ最高財務責任者(CFO)と同社の起訴に発展した。復権をめざすトランプ氏が起訴されるリスクもくすぶる。2024年大統領選にも影響が及びかねない。

訴状によると、ワイセルバーグ被告は05年以降に同社から支援を受けた住居費や高級車、孫の学費など176万ドル(約1億9000万円)分の所得を隠し、約90万ドルの課税を逃れていた。容疑は脱税や重窃盗など15を数える。「包括的でずうずうしいまでの違法な支払いだ」。捜査を手掛けたニューヨーク・マンハッタン地区検察当局はこう批判した。

73歳のワイセルバーグ被告はトランプ氏の父フレッド氏の代から48年にわたって一族企業と関わり、社内ではトランプ氏の家族を除く最重要人物の一人とされる。これまでもトランプ氏に忠誠を尽くし、検察の捜査に協力してこなかった。1日は裁判所に出頭したが、起訴内容は否認した。

今後の焦点はトランプ氏本人の起訴に結びつくかどうかだ。重窃盗は最長で懲役15年。ワイセルバーグ被告が減刑を求めて司法取引をする道はある。もし同被告が反旗を翻し、脱税などの容疑を巡るトランプ氏の関与や指示を示す明確な証拠を明らかにすれば、検察が起訴に踏み切る可能性も排除されない。

トランプ氏には今回の起訴内容以外の捜査も進んでいる。不倫関係にあった女性に口止め料を支払ったり、一族企業が資産評価を不正に操作して税負担を減らしたりした疑いがある。

「急進左派の民主党による政治的な魔女狩りだ。かつてないほどこの国を分断することになる!」。トランプ氏は1日の声明でこう批判した。捜査を主導した検察当局幹部は民主党員であるためだ。

トランプ氏は24年大統領選への再出馬も念頭に活動を本格的に再開している。6月末には南部テキサス州でメキシコとの国境を訪れ、保守層に人気がある移民規制の強化を訴えた。3日には南部フロリダ州で2週連続となる選挙集会を開く。

1日は米連邦最高裁が西部アリゾナ州が定めた黒人らマイノリティー(少数派)に不利とされる投票規制法は合法との判断を示し、自身と共和党に追い風になった。このタイミングでの起訴はこうした流れに水を差す。

多数の支持者が関わった連邦議会議事堂占拠事件も重くのしかかる。同日は占拠事件を調べる下院の特別調査委員会のメンバーに、共和党のリズ・チェイニー下院議員が加わることが明らかになった。トランプ氏の疑惑はチェイニー氏ら「反トランプ」派を勢いづかせ、22年中間選挙に向けた共和党の結束を一段と揺るがす。

ただ、トランプ氏が起訴されて有罪判決が出たとしても、合衆国憲法や現行法には大統領選への出馬を禁じる規定があるわけではない。

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