米メキシコ首脳、移民・新型コロナでの協力で一致

【メキシコシティ=宮本英威】バイデン米大統領とメキシコのロペスオブラドール大統領は1日、オンライン形式で協議した。米国を目指す移民や新型コロナウイルスへの対策協力で一致した。両国の関係は、国境の「壁」建設を主張したトランプ前米政権のもとでぎくしゃくしたが、バイデン氏は改善に努力する意向を示した。
バイデン政権は移民政策の大幅な転換を進めている。「壁」の建設中止を決め、米国への不法移民が市民権を獲得するための要件を緩和する法改正も目指している。
バイデン氏は協議の冒頭で「国境の課題や(新型コロナの)パンデミック(世界的大流行)について、両国が協働すればより安全になる」と述べた。トランプ前米大統領がメキシコに示した厳しい政策を念頭に「メキシコは平等(な相手)だと考えている」と強調した。これに対し、ロペスオブラドール氏は「地理的だけでなく、経済、貿易、文化、歴史、友情でも(両国は)結ばれている」と応じた。
協議前にはメキシコ側が米国に新型コロナワクチンの供与を求めるとの観測があった。だが、サキ米大統領報道官は1日の会談前「政府はすべての米国民にワクチンを届けることに注力している。達成した場合にはその後の段階について喜んで議論する」と述べ、現段階ではメキシコへの供給はないと指摘した。
バイデン氏がオンラインで2カ国間の首脳協議に臨むのは、2月23日のカナダのトルドー首相に次いで2カ国目。

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