アルファベットの10~12月、36%増益 過去最高更新

【シリコンバレー=奥平和行】米グーグルの持ち株会社、米アルファベットが1日に発表した2021年10~12月期決算は、売上高が前年同期比32%増の753億2500万ドル(約8兆6400億円)、純利益が同36%増の206億4200万ドルだった。主力のインターネット広告事業が好調に推移し、売上高、純利益ともに四半期として過去最高を更新した。
株式分割もあわせて発表した。7月1日時点の株主が保有する1株を20株にする。アルファベットの株価は過去1年で約4割上昇し、1日終値は2750ドルを上回っている。株式分割を通じて最低投資金額を引き下げ、より多くの投資家を呼び込むことを狙う。

10~12月期の1株利益は30.69ドル(前年同期は22.3ドル)だった。売上高、1株利益ともに市場予想を上回り、1日の米株式市場の時間外取引で株価は一時、同日終値より9%超上昇した。
主力のネット広告の売上高は612億3900万ドルとなり、前年同期より33%増えた。このうち動画共有サイト「ユーチューブ」の広告収入は25%増の86億3300万ドルだった。ユーチューブは高い成長率を維持する一方、中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」との競争激化が懸念材料となっている。
広告に次ぐ収益の柱にすることを目指して採用拡大や関連企業のM&A(合併・買収)を進めているクラウドコンピューティング事業の売上高は、前年同期比45%増の55億4100万ドルだった。10~12月期の増収率は競合する米マイクロソフトの32%を上回った。
アルファベットのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は1日の声明で、「人工知能(AI)への投資が利用者や企業に優れた経験をもたらし、広告事業が力強く成長した」と述べた。また、独自開発した半導体を搭載したスマートフォン「Pixel(ピクセル)6」を21年10月に発売し、スマホの四半期売上高が過去最高になったと説明した。
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