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北朝鮮、核・弾道ミサイル開発継続 国連の年次報告書

【ニューヨーク=吉田圭織、白岩ひおな】国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルは1日、対北朝鮮制裁の履行状況に関する年次報告書を公表した。同国が暗号資産(仮想通貨)の取引所への攻撃や、石炭などの禁止鉱物の輸出などで得た資金で核・ミサイル開発を続けていることが明らかになった。

報告書は2021年の制裁の履行状況をまとめた。ある加盟国によると、北朝鮮は寧辺(ニョンビョン)の核施設の実験用軽水炉で外部の工事を完成させ、内部の改装を続けている。21年7月には5メガワットの原子炉の稼働の再開が確認された。7月から断続的に冷却水の排出が続き、11月末には水蒸気の排出も衛星映像の分析で確認された。米韓当局は北朝鮮が近く核実験を実施するとの見方を強めている。

弾道ミサイル開発をめぐる技術的な進展があったと強調した。液体燃料ロケットに極超音速滑空体を組み合わせる弾道ミサイル新技術の導入や、短距離弾道ミサイルを潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)として海上でも配備できるよう改造する取り組みも確認された。

北朝鮮は今年だけで11回のミサイル発射を強行した。2~3月に性能を抑えた大陸間弾道ミサイル(ICBM)級のミサイルを撃ったほか、3月24日に新型ICBMを発射した。米国はICBM発射を受け安保理による追加の制裁決議案の提出を目指しており、1日にはICBM開発などに関わった計5団体を制裁対象に指定した。

サイバー攻撃による仮想通貨の違法な取得も続く。20年~21年半ばに北朝鮮は北米や欧州、アジア拠点の少なくとも3つの交換所を攻撃し、計5000万ドル(約61億円)以上の仮想通貨を盗み出した。北朝鮮が21年に交換所や投資会社への7回のサイバー攻撃で合計4億ドル相当の仮想通貨を盗んだとも伝えた。北朝鮮の偵察総局傘下のハッカー集団「キムスキー」が国際原子力機関(IAEA)を狙った攻撃を実施し、防衛装備大手の韓国航空宇宙産業(KAI)のハッキングも試みた可能性があると指摘した。

海上で積み荷を移し替える「瀬取り」の手口で、安保理の制裁決議で禁じられている石炭などの鉱物を中国に輸出したこともわかった。ある加盟国によると、北朝鮮は20年9月~21年8月に少なくとも64回、計55万2400トンの石炭を密輸出した。

安保理が設ける上限を超える石油精製品の密輸入も確認された。正式に報告された石油精製品の輸入は年間供給上限の7.67%と歴史的にも低水準にとどまった。

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北朝鮮

金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。

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