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Zoomが見据えるワクチン後 オフィス復帰も商機に

22年1月期の売上高は4割増予想

(更新)
ズームは22年1月期の売上高が前期を約4割上回ると予想する(写真は1日の決算ビデオ会見、最上段の左から2番目がユアンCEO)

【シリコンバレー=佐藤浩実】米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズは1日、2022年1月期の売上高が前年同期と比べて約4割多い37億6000万ドル(約4千億円)になるとの見通しを示した。新型コロナウイルス下の生活の変化を捉えた前期ほどの伸び率ではないものの、成長が続くとみる。「ワクチン後」に向けて商機を見いだすのが、オフィスへの復帰支援だ。

ズームの21年1月期の売上高は、前の期比4.3倍の26億5136万ドルだった。コロナ対策で会議や授業、コンサートなどあらゆるイベントが遠隔での開催に変わるなか、リンクをクリックするだけでビデオ会議に参加できる手軽さで需要をつかんだ。動画配信の米ネットフリックスや電子商取引(EC)支援のカナダ・ショッピファイなどと並び「コロナ銘柄」の代表格になった。

ただ、状況は変わりつつある。英オックスフォード大の研究者らが運営するデータベース「アワー・ワールド・イン・データ」によると、世界のワクチン接種回数は2月末までに2億4400万回を超えた。感染力が高い変異ウイルスへの懸念はあるものの、米国では学校や店舗の再開が広がっている。1日には、米国内にあるアップルの270店舗が約1年ぶりに全店営業している状態になった。

潮目の変化を捉えてズームが力を入れ始めたのが、オフィスへの安全な復帰を支援する事業だ。会議室でビデオ会議をするためのソフトや周辺機器を2月に刷新し、共有の端末に触れなくても従業員のスマートフォンを介して操作ができるようにした。室内カメラを使って人数が多すぎないかを確認したり、非対面で来客の受け付けをしたりできる機能も用意した。

オフィスの混み具合を知らせる

米調査会社フォレスターリサーチのアンドリュー・ヒューイット氏はワクチン接種が進むにつれて「30%の企業が完全にオフィスに戻り、60%は出社と在宅勤務を組み合わせ、10%がリモートワークを続ける」と予測する。1年に及ぶコロナ下の"強制実験"を経て、90%の企業が今後も何らかの形でオフィスが必要だと考えているとの指摘だ。「復帰をサポートできる企業が成長を享受する」(ヒューイット氏)

コロナによる需要の「先取り」によって、ズームが契約する従業員10人超の企業数は1年前の5.7倍にあたる46万7100社に増えた。年間の契約額が10万ドルを超える大型顧客も1644社にのぼる。ワクチン接種の進展と生活の正常化に伴って個人ユーザーの解約が見込まれるなか、コロナ下で築いた企業顧客という資産を「オフィスへの復帰」の段階でも生かす考えだ。

ズームのエリック・ユアン最高経営責任者(CEO)は1日に開いた決算会見で「ズームはもはやビデオ会議だけの会社ではない」と話した。コロナによって「ブランド認知が高まり、トップダウンの営業も可能になった」と言う。安全性問題などを乗り越えてコロナ下で育てたブランドを、どう事業拡大につなげていけるか。継続的な成長力を左右する。

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