米経済誌「フォーブス」、SPAC上場計画を撤回

【ニューヨーク=清水石珠実】経済誌「フォーブス」を傘下に持つ米フォーブス・グローバル・メディア・ホールディングスは1日、特別買収目的会社(SPAC)との合併計画を撤回すると発表した。
同社は2021年8月、メディア分野の買収をめざすSPAC「マグナム・オパス・アクイジション・リミテッド」と合併し、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場する計画を発表していた。企業価値は6億3000万ドル(当時の為替レートで約690億円)と見積もった。
今年2月には世界最大級の暗号資産(仮想通貨)交換所バイナンスから2億ドルの出資を受けると発表した。だが、この出資はSPACとの合併計画を前提にしており、今回その計画が撤回されたことで「バイナンスからの出資も実施されないことになる」(フォーブスの広報担当者)という。
同社は、SPAC合併計画の撤回理由は公表していない。欧米メディアは、SPACに対する米当局の監視強化に加え、株価低迷で投資家離れが進んでいることが背景にあると説明している。