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米食肉工場にサイバー攻撃、ロシアからか 「2日再開」

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ランサムウエア攻撃により北米と豪州の食肉加工処理場が停止した(コロラド州のJBSの加工施設)=ロイター

【シカゴ=野毛洋子、ニューヨーク=中山修志】ブラジルの食肉大手JBSの食肉加工処理場がサイバー攻撃によって停止した問題で、米ホワイトハウスは1日、ロシアに拠点を置く犯罪者集団によるランサムウエア(身代金要求ウイルス)攻撃との見方を示した。JBSは1日、大部分の食肉処理場と加工食品工場の操業を2日に再開する見通しを示した。

ホワイトハウスのジャンピエール大統領副報道官は1日、記者団にJBSから5月30日にロシアに拠点を置くとみられる犯罪組織によるランサムウエア攻撃を受けたと連絡があったことを明らかにした。米連邦捜査局(FBI)が捜査に着手し、米農務省は他の加工業者と協議して食肉供給への影響を調べている。

JBSは1日に声明を発表し、「大部分の食肉処理場と加工食品工場の操業を2日に再開できそうだ」とコメントした。サイバー攻撃で米国とカナダ、豪州の食肉処理場が停止したが、システムがオンラインに戻り、米国の一部とカナダの処理場は1日に出荷を再開したという。サイバー攻撃を仕掛けた相手や、身代金支払いの有無については明らかにしていない。

ワイオミング州の畜牛業者でコンサルタントのブレット・クロスビー氏は卸業者からの情報として「牛・豚・鶏を扱う全米のJBSのほとんどの処理場が停止したようだ」と指摘。レストランの営業再開やバーベキューシーズンを迎えて米国の食肉処理場はすでにフル稼働の状況にあり、「操業停止は食肉価格の上昇や輸出の停滞に直結する」と懸念する。

JBSは北米とオーストラリアの肉加工の2割超のシェアを占めており、操業停止は食肉価格や輸出にも影響する。穀物アナリストのリッチ・ネルソン氏は「サイバー攻撃の影響が数日で解消すれば価格への影響は限定的だが、2週間続けば卸・小売価格が2割程度上昇するおそれがある」と指摘する。

米国では5月、米コロニアル・パイプラインが管理する東海岸の燃料パイプラインが犯罪集団「ダークサイド」によるランサムウエア攻撃を受け、6日間にわたって停止したばかりだ。燃料に続いて食肉が標的となり、生活必需品を扱う企業を狙ったサイバー犯罪が目立つ。

非IT企業はサイバーセキュリティー対策が甘いとの指摘もあり、ホワイトハウスはあらゆる業種に対してセキュリティーを強化するよう求めている。

ジャンピエール氏は16日の米ロ首脳会談を予定通り行う考えを示した。「(ロシアの)プーチン大統領から話を直接聞くことがロシアの計画や意図を理解する最も効率的な方法だ」と強調した。今回のサイバー攻撃をめぐり、ロシア政府に対し「責任ある国家はランサムウエアを使う犯罪集団をかくまうべきではない」と伝えたという。

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