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米、学校でアジア系歴史の必修広がる NY市は24年から 

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【ニューヨーク=山内菜穂子】米国でアジア系米国人の歴史を学校で教える動きが広がっている。ニューヨーク市は2024年からすべての公立学校で必修とする方針を決めた。新型コロナウイルス禍をきっかけに多発するアジア系への差別や暴力をなくすには、アジア系への理解を深める教育が重要との認識が高まっている。

米国で最大規模の学区のニューヨーク市は今秋、一部の学校でアジア系の歴史を学ぶ授業を試験的に始める。教員から意見を聞き、大学の研究者らと教材を開発する。授業ではアジア系の米国での歴史や多様な文化、米国の社会に貢献した人物などを扱う予定だ。

同市が必修を決めたのは、アジア系への暴力や差別が急増しているためだ。市内でアジア系を狙った憎悪犯罪は21年に130件超と、20年に比べて4倍に増えた。教育局長のデビット・バンクス氏は「人種差別や憎悪とたたかう方法はお互いの歴史を教え、学ぶことだ」と力を込める。

アジア系市民は市内で最も急速に増えている人種グループだ。1990年に49万人だったアジア系人口は2019年の時点で120万人に増えている。アジア系は公立校に通う生徒の17%を占める一方、教員は7%と少ない。必修化に伴い、教育現場全体でのアジア系への理解が深まることが期待されている。

アジア系の歴史を必修とする州も増えてきた。中西部イリノイ州が21年に教えることを義務づけた後、東部ニュージャージー州や東部コネティカット州も続いた。米メディアによると、学習内容には1882年に制定された中国人排斥法や第2次世界大戦中の日系米国人の強制収容なども含まれる。

コネティカット州では5月、アジア系の歴史を学校で必修とする州法が成立した。同州のウィリアム・トン司法長官は「アジア系への偏見が対処されず無視されてきたあまりにも長い歴史がある」と指摘。学校教育で教えることの重要性を強調した。

イリノイ州では今秋の新学期から、K-12(5~18歳)が通う公立学校で生徒がアジア系の歴史を学び始める。同州シカゴ市郊外の小学校教員、ドナ・デビートさんは「自分とは違うように見える人々に敬意と共感を抱くことを子どもたちは学ぶだろう」と期待する。

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