6月の米製造業景況感、2カ月ぶり低下 労働力不足が深刻

【ワシントン=長沼亜紀】米サプライマネジメント協会(ISM)が1日発表した6月の米製造業景況感指数は60.6%で、前月から0.6ポイント低下した。2カ月ぶりの低下で、ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(61.0程度)をわずかに下回った。
18の対象産業のうち17産業が拡大しており、ISMは「製造業と米景気の力強い拡大は続いている」とした。供給制約が解消されず、企業や供給業者が強い需要に応えられない状況が続いているとも指摘した。

「入荷遅延」は前月から3.7ポイント低下したものの、75.1と依然高かった。「価格」は4.1ポイント上昇の92.1となり、1979年7月以来の高さとなった。ISMは「あらゆる原材料と中間財が、生産不足や需給力学の影響で値上がりしている」と指摘した。
また労働力確保の難しさを映して「雇用」は49.9と1.0ポイン低下し、7カ月ぶりに縮小圏となった。圧倒的多数の企業が採用しようとしているものの、ポジションを埋められず、賃金を理由に転職が起きていると指摘する声が相次いだ。ISMは「生産網全体で、労働者不足が引き続き深刻な障害となっている」と述べた。
金属分野の企業は「生産能力以上に売れ続けている。労働力不足でどうにもならない」と伝えた。一方、家具製造業者は「増え続ける受注に追いつかない。一時的にシフト追加を計画しているが、木材不足などで実現しないかもしれない」と報告した。