クオモ前NY知事のセクハラ立件なし 検察、証拠不十分
【ニューヨーク=共同】米東部ニューヨーク州オスウェゴ郡の検察は1月31日、クオモ前州知事のセクハラ疑惑について、証拠不十分を理由に起訴を見送ると明らかにした。米メディアによると、州内各地の検察が調べていたクオモ氏に対するセクハラ疑惑は、これで全て立件見送りとなった。
ジェームズ州司法長官は昨年8月、女性11人に対するクオモ氏のセクハラ行為を認定する報告書を発表。クオモ氏は行為を否定したが、混乱の責任を取って辞任した。
ジェームズ氏は昨年10月下旬、今年11月の州知事選への出馬を表明したが、支持が広がらず、昨年12月に撤回した。クオモ氏の報道官は今回の立件見送りを受け「ジェームズ氏の報告書での指摘はいずれも捜査に耐えうるものではなかった。自身の野心のために行った政治的な暗殺行為だ」との声明を出した。
オスウェゴ郡の検察は立件見送りの理由に「十分な法的根拠がない」ことを挙げたが「(被害者女性は)信頼度が高く、筋が通っている」と強調。有罪立証の難しさを指摘した。
クオモ氏はセクハラ疑惑のほか、高齢者施設の新型コロナウイルス感染死者数隠蔽疑惑も指摘されたが、ニューヨーク・マンハッタンの検察当局は1月上旬、クオモ氏側に起訴見送りを伝えた。