米J&J、心臓ポンプメーカーを買収 2兆5000億円

【ニューヨーク=西邨紘子】米製薬・日用品大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は1日、心臓ポンプメーカーの米アビオメッドを約166億ドル(約2兆5000億円)で買収すると発表した。傘下の医療機器事業に取り込み、成長市場と見込む心疾患向け製品の強化につなげる。
J&Jはアビオメッドに対しTOB(株式公開買い付け)を実施し、現金で1株あたり380ドルを支払う。販売目標などの達成状況に応じ、1株当たり35ドルの追加金を支払う。2023年1~3月期末までの手続き完了を見込む。
アビオメッドは東部マサチューセッツ州に本社を構え、心臓の働きを助ける埋め込み型ポンプの小型化などで独自技術を持つ。22年3月通期の売上高は10億3200万ドルだった。
J&Jは傘下の主力3事業のうちベビー用品などを扱う「消費者向け部門」を切り離し、残る「製薬」と「医療機器・診断器具」事業に集中する方針を決めている。21年12月通期の医療機器事業の売上高は約271億ドルだった。
高齢化や生活習慣病の広がりで心臓病患者は世界的に増加傾向にある。J&Jは自社の事業規模を生かしてアビオメッド製品の販売を伸ばし、成長機会の取り込みを目指す。