ヘイリー氏、米大統領選出馬表明へ 初の共和女性候補狙う

【ワシントン=坂口幸裕】米共和党のトランプ前政権で国連大使を務めたニッキー・ヘイリー氏が2月中旬をめどに2024年の次期大統領選への立候補を表明する見通しになった。米主要メディアが1日までに報じた。女性初となる共和党候補の指名獲得をめざす。
出馬表明すれば、22年11月のトランプ前大統領に続き有力候補では2人目になる。米メディアによると、2月15日に立候補の意向を明らかにする計画だ。共和党内ではトランプ氏から激しく攻撃される標的になるのを警戒し、早期の出馬表明に慎重になっている候補もいるとされる。
トランプ氏は1月28日、ヘイリー氏から最近電話があり、大統領選への立候補を検討していると伝えられ「やるべきだ」と助言したと記者団に明かしていた。
ヘイリー氏は南部サウスカロライナ州下院議員を経て、10年にインド系女性として初めて同州知事選で当選した。16年大統領選で当初は支持しないと公言していたトランプ氏が共和党候補に指名されてから支持に転じた。
一時、国務長官の候補に取り沙汰された。国連大使だった当時はトランプ氏の側近たちとあつれきがあったが、同氏本人との関係は維持。退任後もトランプ氏と接触を続けてきた。
24年大統領選への対応を巡り、ヘイリー氏はトランプ氏が出馬するなら見送る考えを示していた。最近は米メディアで「世代交代の時だ」と話すなど立候補に意欲があるとの見方が出ていた。22年11月の中間選挙でトランプ氏が推薦した共和候補が激戦区で伸び悩んだ結果などを考慮し、翻意した可能性がある。
世論の支持は広がりを欠く。1月中旬の米ハーバード大などの調査で、24年大統領選で支持する共和候補を聞いたところ、ヘイリー氏は4位で、マルコ・ルビオ上院議員と同じ3%にとどまった。トップはトランプ氏の48%、2位はフロリダ州のデサンティス知事の28%、3位はペンス前副大統領の7%だった。
ヘイリー氏は知事時代の15年、州議会議事堂に掲げる南北戦争時の南部連合(南軍)の旗の撤去を議会に求めた。直前に多数の黒人を射殺して逮捕された容疑者が、この旗を白人優位のシンボルとして使っていたためだ。その判断は全米で注目された。

2024年に実施されるアメリカ大統領選挙に向け、現職のバイデン大統領やトランプ氏などの候補者、各政党がどのような動きをしているかについてのニュースを一覧できます。データや分析に基づいて米国の政治、経済、社会などに走る分断の実相に迫りつつ、大統領選の行方を追いかけます。