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米通商方針、中国のウイグル族強制労働の抑制「最優先」

脱炭素へ「国境調整」検討

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ワシントンのカナダ大使館前で、中国政府によるウイグル族の弾圧停止を訴える少年ら=ロイター

【ワシントン=鳳山太成】米通商代表部(USTR)は1日、バイデン政権の通商政策報告書を議会に提出した。中国の人権侵害問題に「最優先で対処する」と記載した。少数民族ウイグル族の強制労働による製品の貿易を規制するため、あらゆる措置を検討する考えを示した。温暖化ガスを大量排出してつくられた輸入品への課税を含む「炭素国境調整」措置の採用も検討課題にあげた。

通商政策の基本方針を示す同報告書はUSTRが毎年作成している。同盟国との連携や労働者、気候変動などを優先課題に挙げ、トランプ前政権からの政策転換を訴えた。「炭素国境調整」措置の導入はバイデン大統領が公約に掲げてきた。

報告書は「民族や宗教の少数派を狙い撃ちにした中国政府の強制労働制度による幅広い人権侵害」に最優先で取り組むと説明した。「米国人や世界の消費者は、強制労働でつくられた製品を求めていない」と指摘し、関与するグローバル企業にも説明責任を求める姿勢を示した。

中国には「米国の技術優位を脅かしたりサプライチェーン(供給網)を弱体化させたりと、威圧的で不公正な貿易慣行がある」と主張した。トランプ前政権の「ばらばらの手法」ではなく「包括的な戦略とより体系的な手法」が必要だと明記した。

ウイグル族の弾圧問題については、トランプ前政権も中国の新疆ウイグル自治区で生産された綿製品の輸入を禁じた。バイデン政権は対中政策で人権問題を一段と前面に押し出す構えをみせている。バイデン氏は2月、電話協議で中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席にウイグル問題への懸念を伝えた。

中国政府はウイグル族を施設に収容する措置を「再教育」と定義し、人権侵害への関与は否定している。バイデン政権では、人権が米中対立の火種となりそうだ。

バイデン米大統領がUSTR代表に指名したキャサリン・タイ氏=ロイター

通商政策では、地球環境問題も優先すると記した。中国を含む貿易相手国に高い環境基準の順守を求めるなど、温暖化ガスの排出削減を迫る手法として貿易を活用する。

バイデン氏は環境基準を満たさない国から輸入する製品に、税や数量制限などの炭素国境調整を課すと明言してきた。欧州連合(EU)も同様の措置を導入する方針で、貿易ルールとの整合性が今後の議論になる。

同盟国との協調も重視する。トランプ前政権が日本など同盟国にも追加関税を課した鉄鋼・アルミニウムの問題については、中国が主因となっている過剰生産問題に対処するため「友好国や同盟国と協力を模索する」と表明した。関税の扱いには触れなかった。

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