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マスク氏、ロビンフッドCEOを追及 株取引制限巡り

(更新)
テスラのマスク氏はネット上のイベントで個人投資家らを代弁する発言を繰り返した=AP

【シリコンバレー=白石武志】米国市場で起きた個人投資家と空売りファンドの対立に、米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)も参戦した。マスク氏は1月31日にネット上で開かれたイベントで、米新興ネット証券ロビンフッドの幹部らと対談。同社が実施した一部銘柄の取引制限について不満を示し、個人投資家を代弁して理由や背景を追及した。

マスク氏は1月31日深夜に招待制の音声チャットアプリ「クラブハウス」上のイベントに参加し、著名ベンチャーキャピタル(VC)の幹部らと対談した。米メディアによると、マスク氏は約2時間に及んだイベントの後半にロビンフッドのブラッド・テネフCEOに登壇するよう促し、同社が1月28日に実施した一部の株式の取引制限について質問を浴びせた。

テネフ氏は取引制限した理由について、取引を決済する清算機関から30億ドル(約3100億円)の預託金を求められたためだと説明。預託金は決済を確実にするためのもので、金額は取り扱う銘柄のボラティリティー(変動率)などによって決まる。テネフ氏は30億ドルの要求額について「通常よりも桁違いに多かった」と述べた。

預託金は後に14億ドルに減額され、ロビンフッドは既存の投資家から10億ドル超の資金を調達することで対応したという。テネフ氏は「規制上の資本要件に適合しなければならず、今回は選択の余地がなかった」と釈明した。同社は1月29日から一部銘柄で実施していた取引制限を限定的に緩和した。

ロビンフッドの主な利用者である個人投資家はオンライン掲示板などで情報を交換し、空売り比率が高い銘柄に集中的に買いを入れることで株価を急騰させ、空売りファンドに持ち高解消に伴う巨額の損失を与えた。ロビンフッドが取引を制限している間もプロの投資家は売買を続けられたため、米議会などからは「個人投資家が不利な状況に置かれた」との批判が出ている。米証券取引委員会(SEC)は1月29日、この問題をめぐって調査を始めると発表した。

ロビンフッドが提供する株取引アプリの売買手数料は無料だが、同社は投資家の注文をマーケットメーカー(値付け業者)に回すことでリベートを受け取り、無料化の原資にしている。同社と取引するマーケットメーカーは関連企業を通じて、今回の踏み上げ相場で損失を被った空売りファンドに資金支援しているとされる。

一部の個人投資家の間ではこうしたマーケットメーカーが空売りファンドの損失拡大を防ぐために、ロビンフッドに取引を制限するよう圧力をかけたのではないかとの見方も出ている。マスク氏は「なにかいかがわしいことがあったのか」と畳みかけたが、テネフ氏は預託金の要求についてはあくまで清算機関の決定だと説明。同社が取引先から圧力を受けたとの噂については「間違いだ」と強調した。

テスラは過去に株価下落を見込んだ空売り勢の攻撃を受けており、マスク氏と空売りファンドとの因縁は深い。株価の乱高下に悩まされたマスク氏は2018年にツイッター上で突如としてテスラ株を非公開化すると表明し、後に撤回したが、SECから証券詐欺の疑いで訴えを起こされる事態にもなった。

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