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トランプ氏、共和に影響力誇示 24年大統領選にらむ

トランプ氏は共和党での影響力保持に腐心する(2月28日、フロリダ州)=ロイター

【ワシントン=永沢毅】トランプ前米大統領が28日、退任後初めて公の場で演説に臨み、2024年大統領選に再出馬する可能性に言及した。最終判断は示さず、共和党内で影響力を保持する狙いがある。トランプ氏を支える「反エスタブリッシュメント(支配層)」の潮流は民主党のバイデン政権の悩みの種でもある。

南部フロリダ州で開かれている保守政治活動会議(CPAC)に登壇したトランプ氏は「私が民主党を打倒すると決断するかもしれない」と発言し、共和党支持者で埋まった会場をわかせた。

CPACは米国で最大級の保守派の会合。「民主党は(22年秋の)中間選挙で敗北し、4年後にはホワイトハウスを失う」とも語り、バイデン政権の移民政策などを批判した。

トランプ氏には24年に向けて出馬の選択肢をちらつかせて「事実上のキングメーカー」(トランプ氏に近いゴルカ元大統領副補佐官)として振る舞う狙いが透ける。

この日のイベントでは24年大統領選の共和党候補を選ぶ模擬投票があり、トランプ氏は55%と2位以下を引き離して断トツのトップにたった。

トランプ氏に批判的な姿勢で知られる有力議員のロムニー上院議員ですら「もし彼が候補争いに名乗りをあげれば、党の指名を容易に得るだろう」と認める。

トランプ氏は演説で、取り沙汰されていた新党の結成を「フェイクニュースだ」と明確に否定した。むしろ共和党内の主導権争いに自信をみせる。「共和党は結束している。ワシントンにいるごく一部のエスタブリッシュメントと、その他大勢の間に断絶があるだけだ」と断じ、共和党で自身の弾劾に賛成した上下両院議員の名前を1人ずつあげて批判した。

22年秋の中間選挙などをにらんで党の候補者を絞り込む予備選で対立候補を擁立し、共和党から反対勢力を排除する構えだ。

米サフォーク大とUSAトゥデーの世論調査によると、かつてトランプ氏支持を表明したことがある有権者の50%超が「共和党はトランプ氏にもっと従うべきだ」と回答した。「党主流派とより連携すべきだ」の19%を大きく上回った。有権者の間には反エスタブリッシュメントの機運が根強い。

共和党は伝統的に自由貿易や財政均衡を重視する「小さな政府」路線をとってきた。トランプ氏はこれとは一線を画し、保護貿易、財政出動の拡大を訴えた。グローバル化やデジタル化で打撃を受けた白人労働者層がこれに共鳴した。

トランプ氏に近いスパイサー元大統領報道官は「前大統領の政策には草の根運動の支持がある。共和党の立ち位置は完全に変わった」とみる。

党内の反エスタブリッシュメントの動きに手を焼くのは民主党のバイデン政権も同じだ。「あなたは私やその仲間に悪意のある攻撃をしてきた」。バイデン氏と大統領選の民主党候補の指名を争った急進左派の代表格、サンダース上院議員は行政管理予算局(OMB)局長に指名されたニーラ・タンデン氏を2月の公聴会でこう批判した。

同氏はサンダース氏のライバルで主流派のクリントン元国務長官に近く、過去にサンダース氏を激しく攻撃した経緯がある。定数100の上院で民主党(無所属含む)と共和党はともに50議席で、1人でも造反があれば承認はおぼつかない。

サンダース氏ら急進左派は格差拡大など現状への不満を抱える若者を中心に支持が根強い。審議中の新型コロナウイルス対策を巡り、実現が難しくなっている連邦政府の最低賃金15ドルへの引き上げも、主流派で構成する党執行部に強く要求する。

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