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中米ホンジュラスへの米中介入、台湾巡りさらに激しく

親中派の大統領誕生で駆け引き

11月28日投開票の中米ホンジュラスの大統領選で、左派野党連合のシオマラ・カストロ氏(62)の当選が確実になった。対立候補が敗北を認めた。親中派のカストロ氏は選挙戦で、就任後の台湾との断交と中国との国交締結の可能性を示唆していた。米国はこれを阻止したい意向で、台湾を巡り米中の介入が激しくなるのは必至だ。

対立候補の与党・国民党のナスリー・アスフラ氏(63)が30日、敗北を認め「カストロ氏の勝利を祝福する」と述べた。これを受けてカストロ氏は「民主主義の秩序を取り戻す」と表明した。カストロ氏は2009年にクーデターで失脚したセラヤ元大統領の妻。ホンジュラスで初の女性大統領になる。22年1月に就任し、4年間の任期を務める。

カストロ氏就任後の焦点は、今年で80年を迎えた台湾と結ぶ外交関係だ。カストロ氏は選挙戦で、大統領に当選したら台湾と断交し、中国と国交を結ぶ方針を掲げていた。中国外務省の汪文斌副報道局長はカストロ氏の勝利が濃厚となった29日の記者会見で「1つの中国という原則の堅持を基礎に、世界各国と友好・協力関係を発展させたい」と述べ、いち早く歓迎する姿勢を見せた。

一方で、台湾と米国は危機感を募らせている。

ロイター通信によると、米国は大統領選に向けてホンジュラスに政府高官を派遣し、カストロ氏の陣営に台湾との外交関係を維持するように強く求めたという。中南米における、さらなる中国の影響力拡大を警戒しているためだ。

この動きを受け、大統領選の直前にはカストロ氏の側近が、ロイター通信に対し「まだ(台湾と断交するかは)最終決定していない」と述べるなど先行きは不透明だ。だが今後、22年1月末の就任まで米中間の攻防がさらに激しくなるのは間違いない。

カストロ氏の当選を受けてブリンケン米国務長官は30日、「米国はカストロ氏の初の女性大統領としての歴史的な勝利を祝う」との声明を出した。

台湾外交部(外務省)も1日、「ホンジュラスは中米における重要な友好国だ。80年にわたり外交関係が続き、協力がうまく機能している。カストロ氏率いる新政権とも協力関係を深めていく」との声明を発表した。蔡英文(ツァイ・インウェン)政権は11月中旬には、ホンジュラスの現職大統領を台湾に招待し、長年の外交関係を国際社会にアピールするなど、中国に対抗する姿勢も鮮明にしていた。

台湾が現在、世界で外交関係を結ぶのはわずか15カ国。ホンジュラスは数少ない友好国の1つだが、米ボストン大のジョルジ・ハイネ研究教授は「台湾はホンジュラスへの影響力では中国にかなわない。ホンジュラスが台湾との外交関係を維持するかどうかは米国にかかっている」と指摘する。

(メキシコシティ=清水孝輔、台北=中村裕、大連=渡辺伸)

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