インテル子会社モービルアイ、米上場申請 IPO低迷下で

【シリコンバレー=佐藤浩実】米インテル子会社で自動車向け半導体を手がけるイスラエルのモービルアイが9月30日、米ナスダック市場に上場申請した。2021年に掲げた計画を進めた格好だが、発行株数や価格の見通しは明らかにしていない。株安でテクノロジー企業の新規株式公開(IPO)は低迷しており、IPO市場の先行きを占う上場となりそうだ。
モービルアイは運転支援のための画像処理半導体やソフトウエアを手がける。インテルは21年12月、モービルアイを上場させると発表し、上場によって得られる資金を半導体工場などへの投資に振り向ける方針を示していた。種類株の保有を通じ、上場後もインテルが支配権を維持する。
21年時点ではモービルアイの企業価値は500億ドル(7兆2000億円)を上回るとの予測があった。ただ今年に入り、株式市場を取り巻く環境は一変した。政策金利の引き上げなどに伴い不安定な相場が続いており、IPOも低調だ。米ブルームバーグ通信の報道によれば、インテル社内ではモービルアイの評価額を300億ドルに引き下げたという。
モービルアイはもともと上場していたが、17年にインテルが約150億ドルで買収した経緯がある。直近の従業員は3100人にのぼる。21年の売上高は前年比43%増の13億8600万ドルで、22年は1~6月期で8億5400万ドルに達した。モービルアイは30年までに、同社の運転支援システムが2億6600万台の車に搭載されると予想している。