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民主陣営連携、中ロに誇示 9~10日に米主導サミット

日本・台湾など110カ国・地域招く

米政府は9~10日、日本や台湾など110カ国・地域を招待した「民主主義サミット」をオンライン形式で開く。価値観を共有する同盟国や友好国と協調し、権威主義と位置づける中国やロシアに対抗する姿勢を明確にする。招かれなかった中ロは「イデオロギー対立をあおる」などと強く反発している。

ブリンケン米国務長官は2日の記者会見で「いま民主主義が試されている時代なのは事実だ。独裁国家はより有効だと示そうとしているが、それは根本的に間違っている」と力説。サミットに関し「民主主義の素晴らしさと強靱(きょうじん)さは自ら修正できる点にある。世界の民主主義を強化するための協力を検討する」と訴えた。

サミットは2020年米大統領選でバイデン大統領が掲げた公約のひとつ。①権威主義からの防衛②腐敗との戦い③人権の尊重の推進――がテーマになる。政府や民間企業、市民団体なども参加する。22年は対面形式の開催を探る。

米政府は中国の人権弾圧に抗議する姿勢を示すため、22年2月の北京冬季五輪に選手団以外の外交使節団を派遣しない「外交的ボイコット」を検討中だ。国際社会と連携して中国に圧力をかける狙いもあるとみられる。

招待国・地域には日米欧の先進7カ国(G7)やインド、韓国、台湾のほか、台湾と関係を強化するリトアニアも入った。台湾の外交部(外務省)によると、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統でなく、デジタル担当相のオードリー・タン(唐鳳)氏が出る。

米国は中国本土と台湾は不可分だという中国の立場に異を唱えない一方、台湾の安全保障に関与する「一つの中国」政策を堅持する。8月に台湾への武器売却を決め、10月には蔡氏が台湾に米軍が駐留していると認めた。米国は国際機関への台湾の参加も訴える。

中国とロシアは批判を強める。中国の秦剛、ロシアのアナトリー・アントノフ両駐米大使は米誌ナショナル・インタレスト(電子版)に連名で寄稿し「冷戦時代の思考の産物であり、イデオロギー対立と世界の分裂をあおり新たな分断を生み出す」と批判。「この動きを断固として拒否する」と強調した。

新型コロナウイルス対策に触れ「グローバルな課題に直面している各国が協調と協力を強化するのが急務だ」と記した。「分断と対立を誘発する価値観外交をやめ、社会システムやイデオロギーなどが異なる国家による調和のとれた共存を呼びかける」とも唱えた。

中国共産党と政府は4日、白書を発表し、中国が「自国の事情に沿った民主制度を実施している」と指摘した。民主主義は一部の国が判断するものではないとの姿勢を強調し、米国を念頭に「説教は受けない」と不快感を示した。

中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は招待されなかった国と相次いで協議し、サミットを「内政干渉」と非難した。王氏は11月24日、米国と対立するイランのアブドラヒアン外相とオンラインで協議し「サミットは世界の分裂を策動し、他の国に米国式改造を進めるためだ」と語った。25日には強権姿勢を加速し欧州連合(EU)との溝が深まるハンガリーのシーヤールトー外相とも協議した。

このほか、ロシア製ミサイルの導入や人権問題で米国との緊張が続くトルコを外した。イスラム主義組織タリバンが暫定政権を発足させたアフガニスタン、独裁政権の北朝鮮も不参加だ。

もっとも、国際社会には新型コロナや気候変動など、サミット不参加国とも協力が欠かせない課題が山積する。理念と現実の溝を乗り越える手腕が米政権に問われている。(ワシントン=坂口幸裕、北京=羽田野主)

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