NY原油5%下落 オミクロン型の影響で需要不透明に

【ヒューストン=花房良祐】30日の原油市場では、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」に対して既存のワクチンの有効性が限られるとの製薬会社幹部の発言をきっかけに売りが広がった。ニューヨーク原油先物が前日比3.77ドル(5.4%)安の1バレル66.18ドルとなったほか、ブレント原油は3.9%安の70.57ドルとなった。感染拡大で経済が停滞すれば原油需要が落ち込むとの見方が売りを誘った。
バイオ製薬モデルナのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、南アフリカなどで見つかったオミクロン型に対する既存のワクチンの有効性は「かなり低い」と指摘した。そのうえでオミクロン型に対応した新しいワクチンの開発と大量生産には「数カ月かかる」と語った。
調査会社ライスタッド・エナジーのルイズ・ディクソン氏は「他のワクチンメーカーもモデルナと同じようなことを言ったら、相場はさらに下落するだろう」と述べた。都市封鎖(ロックダウン)が各国で相次げば、2022年1~3月に原油需要が日量300万バレル失われる可能性もあると指摘した。