破綻のFTX創業者「リスク管理不十分」 法的責任は否定

【ニューヨーク=竹内弘文】経営破綻した暗号資産(仮想通貨)交換業大手FTXトレーディングの創業者、サム・バンクマン・フリード氏が30日、米紙ニューヨーク・タイムズのイベントにオンラインで登壇し「明らかにリスク管理が不十分だった」と述べて陳謝した。一方、自らの法的責任については否定した。
FTXやその関係会社が11月11日に日本の民事再生法に相当する米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請して以来、バンクマン・フリード氏が公の場に出てくるのは初めて。FTXが本拠地を構えるバハマからオンラインで参加した。
バンクマン・フリード氏は冒頭で「多くの過ちを犯した」と陳謝した。「あらゆる仮想通貨の流動性がなくなり、数日の内に急落するという事態は想定していなかった」とも述べた。FTXの関連会社で仮想通貨の投資会社であるアラメダ・リサーチの財務状況を巡る疑惑が11月上旬に浮上し、FTXの信用不安が高まると同社発行のトークン(電子証票)を含めた幅広い仮想通貨が同時に急落。顧客の取り付けが加速した。
アラメダについては財務上の不透明さがあったことを認め「本来あるべき監督をできていなかった」と謝罪した。ただ、同社の経営には直接関わっていなかったと釈明。FTX顧客の資金をアラメダに違法に流用した疑いについても「(自身に)法的責任があるとは考えていない」と述べた。