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ブラジル次期政権、アマゾン保護強化 カタール分が消失

(更新)

【サンパウロ=宮本英威】ブラジルのルラ次期大統領はアマゾン地域の熱帯雨林保護を強化する。高水準の消失が続いているためで、第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)でも保護を約束した。ボルソナロ現大統領の保護に消極的な姿勢に欧米の批判が集まるなか、政権交代による変化を印象づける狙いもありそうだ。

「アマゾンの保護なくして、気候の安全保障は達成され得ない」。ルラ氏は11月、エジプトで開催したCOP27に参加して訴えた。ルラ氏はすでに2025年に開くCOP30をブラジルに誘致し、アマゾン地域で開く考えも示している。

ルラ氏は23年1月1日の大統領就任後、違法な森林伐採や鉱物採掘の摘発に力を入れる方針を示している。背景には2つの理由がある。

まず、高水準の熱帯雨林の消失が続いていることだ。ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は11月30日、アマゾンの熱帯雨林の面積が21年8月から22年7月に推定1万1568平方キロメートル消失したと明らかにした。

消失面積は前の年度からは1割強減ったが、サッカー・ワールドカップ(W杯)の開催国、中東カタールの面積に匹敵する。前年度(20年8月~21年7月)を除けば、リーマン・ショック直前の07年8月~08年7月以来の高水準だった。森林火災や農牧地開発のための違法伐採が響いている。

ブラジルの環境団体オブセルバトリオ・ド・クリマのマルシオ・アストリニ事務局長は「決して良い状況ではない。ボルソナロ政権がようやく終わるのは良いニュースだ」と言及した。

もう一つの理由は政権交代による変化を印象づけることだ。右派のボルソナロ政権は支持基盤である大規模農家への配慮から、アマゾン保護に後ろ向き。森林監視の予算執行も十分に行われていないと指摘されている。

欧州諸国はもともと環境保護に熱心で、ボルソナロ政権の環境政策は外交関係が緊張する一因となっていた。米国もバイデン政権は環境保護に前向きだ。ルラ氏はアマゾン保護に前向きに取り組むことで、欧米諸国との関係を安定させる思惑もありそうだ。

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