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米国・インドネシア、軍事演習開始 日豪英仏など参加

(更新)

【ワシントン=中村亮、ジャカルタ=地曳航也】米国とインドネシアの軍事演習「ガルーダ・シールド」が1日、インドネシアで始まった。14日までの日程で、オブザーバーを含む10カ国以上が参加する見通しだ。米軍は2国間から多国間の連携に重点を移し、南シナ海の実効支配を強める中国に対抗する。

米国の在インドネシア大使館によると、米国とインドネシアからはそれぞれ2000人程度が参加する。日本やオーストラリア、シンガポールが本格的に参加し、オブザーバーとしてインドやパプアニューギニア、韓国、カナダ、フランス、英国なども加わる。

米太平洋陸軍のチャールズ・フリン司令官は日本経済新聞の取材でガルーダ・シールドをめぐり「インド太平洋における陸軍や地上部隊、統合部隊の間で続く多国間協力を表現するものだ」と強調した。「訓練や即応力向上、陸軍やリーダー同士の関係構築を通じてパートナー国と相互運用性を高めていくことが極めて重要だ」と訴えた。

演習には日本の陸上自衛隊が初めて本格的に参加する。米軍やインドネシア国軍とともに米領グアムから米軍機でインドネシア・スマトラ島南部のバトゥラジャに長距離移動し、空挺(くうてい)降下から地上作戦までの動きを訓練する。フリン氏は「日米とインドネシアによる協力の素晴らしい事例だ」と言及した。

南シナ海では米中の緊張が高まっている。インドネシアは中国と南シナ海で領有権を争う当事国ではないが、ナトゥナ諸島で火種を抱える。

同諸島周辺の排他的経済水域(EEZ)は中国が事実上の主権を主張する「九段線」と一部重複し、中国の漁船が公船を伴って活発に活動している。中国はインドネシアが進める資源開発についても中止を求めている。

インドネシアは中国がナトゥナ諸島の実効支配の機会を探ろうとしているとみて周辺の防衛・警戒体制の強化を急ぐ。ガルーダ・シールドはその一環で、今回は演習地の一つとして同諸島に近いシンガポール近郊のバタム島を選んだ。米軍とは海兵隊の合同演習も続けている。

イーライ・ラトナー米国防次官補(インド太平洋安全保障担当)は7月下旬、米戦略国際問題研究所(CSIS)のイベントで、中国軍の航空機による南シナ海などでの進路妨害が最近5年間で急増したと批判。2022年上半期だけでも危険な事案が数十件あったと明らかにした。「中国軍がこの行動パターンを続ければ地域で大きな事故が起きるのは時間の問題だ」とも話した。

インド太平洋地域の安全保障をめぐっては海軍や空軍が主体になるとみられてきた。フリン氏は世界の陸の25%をインド太平洋地域が占め、アジア各国は軍のなかで陸軍に大きな比重を置いていると指摘。「陸軍は地域を結合させる安全保障の土台だ」と言明した。

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