NYダウ、反発で始まる 金融システムへの懸念和らぐ

【NQNニューヨーク=三輪恭久】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発して始まり、午前9時35分現在は前週末比180ドル71セント高の3万2042ドル69セントで推移している。欧州金融機関の経営を巡る過度な懸念がひとまず和らぎ、買いが先行している。
経営難に陥っていたスイスの金融大手クレディ・スイス・グループを巡っては、スイスの同業のUBSによる買収が決まった。世界的な金融危機につながるリスクがひとまず回避されたとの見方から、米株市場では主力株に買いが入っている。
前週に下げが目立った米地銀株は総じて堅調に推移しているものの、ファースト・リパブリック・バンクの株価は大幅安。前週、米大手行による資金支援を受けると発表したが、経営環境を巡る不透明感が拭い切れていないとの見方から、売りが優勢となっている。21〜22日には米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、米株市場では積極的に買いを入れる動きが限られている面もある。
金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースが高い。景気敏感株の化学のダウや建機のキャタピラーも上昇している。一方、ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォースは安い。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は小幅に続落して始まった。
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