NYダウ、もみ合いで始まる 利益確定売りが優勢

【NQNニューヨーク=三輪恭久】27日の米株式市場でダウ工業株30種平均はもみ合いで始まり、午前9時35分現在は前日比17ドル22セント安の3万3932ドル19セントで推移している。週末を控え、利益確定の売りがやや優勢となっている。一方、インフレが落ち着く方向にあるなか、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの観測が投資家心理を支え、小幅に上昇する場面がある。
ダウ平均は前日まで5日続伸し、900ドルほど上昇していた。週末を控えて持ち高調整や利益確定の売りが出やすい。一方、朝方に発表された2022年12月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が前年同月比4.4%上昇し、市場予想と一致した。上昇率は11月の4.7%から鈍っており、FRBが重視する物価指標でもインフレが落ち着きつつあるとの見方が改めて強まった。
個別では、半導体のインテルが大幅に下落している。前日夕に発表した22年10〜12月期決算で、売上高と1株利益が市場予想に届かなかった。23年1〜3月期の1株損益の見通しも市場予想に反して赤字を見込み、嫌気した売りが膨らんでいる。石油のシェブロンや保険のトラベラーズ、航空機のボーイングも売られている。
クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが大幅高。朝方に22年10〜12月期決算の発表と同時に示した23年12月期の収益予想が市場予想を上回り、好感した買いが入っている。同業のビザは前日夕に発表した2022年10〜12月期の決算で、売上高と1株利益が市場予想を上回ったことを材料に買いが優勢となっている。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は一進一退。電気自動車のテスラとネット通販のアマゾン・ドット・コムは上昇している。一方、アプライドマテリアルズやアドバンスト・マイクロ・デバイスといった半導体関連の下げが目立っている。
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