NYダウ続伸15ドル高 金融緩和の長期化観測で

【NQNニューヨーク=戸部実華】23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に3日続伸し、前日比15ドル66セント高の3万1537ドル35セントで終えた。米長期金利の上昇基調を受け、高PER(株価収益率)銘柄が多いハイテク株を中心に売りが先行した。ただ、23日午前の議会証言で米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が金融緩和の長期化を改めて示唆し、金利上昇への過度な懸念が和らいで上げに転じた。
パウエル議長は米上院の議会証言で、市場が警戒するインフレについて「大部分で弱い」との見解を示し「米経済は雇用とインフレ目標に達するまで長い道のりがある」と述べた。金融緩和が当面維持されるとの従来の考えを繰り返し、市場では株の買い安心感が広がった。
米政府による大規模な追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及が米経済の正常化を後押しするとの見方が続いている。経済活動再開の恩恵を受けやすい映画・娯楽のウォルト・ディズニーが3%高、クレジットカードのビザが2%高となった。米原油先物相場が一時上昇し、石油のシェブロンも買われた。米長期金利の上昇基調を受け、金融のJPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスも高い。
もっとも、長期金利の高止まりで、相対的な割高感が意識されやすいハイテク株は売られた。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムは2%安。ソフトウエアのマイクロソフトも安い。ダウ平均の構成銘柄以外では電気自動車のテスラが2%安で終えた。
パウエル議長の議会証言前は売りの勢いが強まり、ダウ平均は一時362ドル安、ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は529.067ポイント(3.9%)安の1万3003.981まで下げる場面があった。その後、ナスダック指数は67.850ポイント(0.5%)安の1万3465.198まで下げ渋って終えた。
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