NYダウ続伸196ドル高 最高値更新、年間では7%上昇

【NQNニューヨーク=戸部実華】2020年12月31日の米株式相場は続伸した。ダウ工業株30種平均は前日比196ドル92セント(0.6%)高の3万0606ドル48セントと過去最高値を更新した。朝方は売りが先行したが、新型コロナウイルスのワクチン普及などで来年は景気が回復に向かうとの期待から買い直された。景気敏感株を中心に取引終了にかけて上げ幅を広げた。
ワクチン普及による経済正常化に加え、金融緩和の長期化を背景に来年も株高基調を予想する見方が多い。半導体のインテルに加え、景気敏感株の一角である金融のゴールドマン・サックスやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスなどが買われた。
ただ、年末で市場参加者は少なく、少量の取引で値幅が大きくなりやすい面もあったようだ。過去最高値圏とあって午前中は利益確定売りが先行し、前日終値を小幅に下回る場面もあった。
ダウ平均は年間では7.2%高と、昨年(22.3%高)に続いて2年連続で上昇した。新型コロナの世界的な大流行を受け、3月23日には1万8591ドル93セントまで下げたが、そこから64.6%上げた。コロナ対策で政府と米連邦準備理事会(FRB)が打ち出した強力な財政金融政策が株高を後押しした。
ダウ平均の構成銘柄ではスマートフォンのアップルが80.7%上昇し、上昇率で断トツだった。2位がソフトウエアのマイクロソフトで41.0%上げた。ハイテク株が相場上昇を主導した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前日比18.280ポイント(0.1%)高の1万2888.282で終えた。年間では43.6%高と2年連続で上昇し、上昇率はリーマン・ショック翌年の09年以来の大きさとなった。
アップル、マイクロソフト株に加え「巣ごもり消費」や在宅勤務の拡大の恩恵を受けた銘柄が買われ、ナスダック指数を押し上げた。ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズは5倍、ネット通販のアマゾン・ドット・コムは8割近く、動画配信のネットフリックスは7割近く上昇した。電気自動車のテスラは8倍になった。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は続伸し、前日比24.03ポイント(0.6%)高の3756.07と過去最高値で終えた。年間では16.3%高と、2年連続で上昇した。