NYダウ小幅高、金融緩和観測が支え ナスダックは下落

【NQNニューヨーク=戸部実華】23日の米ダウ工業株30種平均は小幅に3日続伸し、15時現在は前日比6ドル53セント高の3万1528ドル22セントで推移している。米長期金利の上昇を警戒し、高PER(株価収益率)銘柄が多いハイテク株を中心に売りが広がった。ただ、23日に議会証言に臨んだ米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が金融緩和の継続姿勢を示すと、過度な懸念が和らいだ。
米長期金利はほぼ1年ぶりの高水準にあり、1月末と比べて0・3%ほど高い。急速な金利上昇を受け、相対的に割高感が意識されやすいハイテク株が売られた。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやソフトウエアのマイクロソフトが安い。ダウ平均の構成銘柄以外では電気自動車のテスラや半導体関連株などへの売りが目立つ。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、139・171ポイント安の1万3393・877で推移している。
ダウ平均は朝方に362ドル安となった後は下げ渋る展開。パウエル議長は議会証言でインフレについて「大部分で弱く、労働市場は依然として支援が必要な状況だ」との見解を示した。金融緩和が当面維持されるとの従来の考えを改めて主張し、市場では株の買い安心感が広がった。
米政府による大規模な追加経済対策の成立や新型コロナウイルスのワクチン普及が、米経済の正常化を後押しするとの見方も強い。映画・娯楽のウォルト・ディズニーやクレジットカードのビザが高い。米原油先物相場が上昇し、石油のシェブロンへの上げも目立つ。
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