NYダウ小反発、ワクチン承認期待も上値重く

【NQNニューヨーク=戸部実華】11日の米ダウ工業株30種平均は小幅に3日ぶりに反発し、15時現在は前日比21ドル32セント高の3万0020ドル58セントで推移している。映画・娯楽のウォルト・ディズニーが急伸し、ダウ平均を押し上げている。米国で新型コロナウイルスのワクチンが近く承認されるとの見方も支えだ。ただ、米国の追加経済対策を巡る与野党の協議が進展せず、上値は重い。
ディズニーは一時16%高となり、上場来高値を更新した。10日の投資家向け説明会で動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」の契約者数が急速に伸びるとの見通しを示し、好感された。
米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が10日夕、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したコロナワクチンの使用を推奨した。FDAのスティーブン・ハーン長官は声明で「緊急使用許可に向けて最終手続きを急ぐ」との姿勢を示した。ワクチン普及が経済活動の正常化を後押しするとの見方が相場を支えている。
ただ、追加経済対策の協議は目立った進展がみられず、市場心理の重荷になっている。米国では1日あたりの新型コロナの感染者数と死者数が過去最多水準にあり、目先の景気下振れリスクが意識されている。金融のゴールドマン・サックスやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス、石油のシェブロンなど景気敏感株への売りが目立つ。