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「空箱上場」、21年半ばにも解禁へ シンガポール取引所

アジアの有望企業取り込み

シンガポール取引所はSPACの解禁で、グラブのような域内の有望新興企業を呼び込みたい考えだ=ロイター

【シンガポール=中野貴司】シンガポール取引所(SGX)は2021年半ばにも、特別買収目的会社(SPAC)の上場を解禁する。通常の新規株式公開(IPO)以外にも上場の選択肢を広げることで、アジアの有望な新興企業を取り込む狙いだ。香港やインドネシアの取引所もSPACの上場認可を検討しており、取引所間の競争が一段と激しくなる。

SGXは31日、SPAC上場に関するルール案を公表した。市場関係者から意見を募った上でルールを確定し、21年半ばから上場を認める方向だ。SGXの規制部門のタン・ブーンジン最高経営責任者(CEO)は「投資家からアジア企業を対象としたSPACへの関心が寄せられている」として、アジア企業の誘致が解禁の主目的になるとの考えを示した。

SPACは上場時点では事業を持たない「箱」のような特別目的会社で、運営者が買収先を探す。SGXのルール案はSPACの時価総額要件を3億シンガポールドル(約246億円)以上とし、買収先を探す期限を3年間とした。買収先と合併する際に、運営者と利害関係のない株主の過半数の賛成を要件とするなど、投資家保護にも一定の配慮をした。

SGXは東南アジアのスタートアップの上場誘致を強化しているものの、シンガポールのネットゲームのシーがニューヨーク証券取引所に上場するなど、有望な企業が海外市場に流出している。シンガポールの配車大手グラブやインドネシアのネット通販大手トコペディアなどはSPACを活用した上場も視野に入れており、制度を整備することで域内のユニコーン(企業価値が10億ドル=1100億円以上の未上場企業)を取り込みたい考えだ。スタートアップにとっては、SPACと合併することで一般的な手続きを踏むより上場準備期間が短くなる利点がある。

ゴールデン・ゲート・ベンチャーズのマイケル・リンツ氏は「企業価値の大きな企業は多くの資金が集まる米国市場を希望するため、アジアの取引所は時価総額の小さいSPACの受け皿になる可能性が高い」と指摘する。シンガポール取締役協会のエイドリアン・チャン副会長は「買収先の企業の質と共に、SPACの運営者や取締役の質が上場の成否を左右する」と話す。

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