習氏、22年党大会での3期目入りに意欲 年頭所感で表明

【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は12月31日、2022年の年頭所感を公表し、22年秋に開く第20回共産党大会について「党と国家の政治生活の中で大きな事だ」と述べ、異例の3期目入りに意欲を示した。
中国の国政助言機関である全国政治協商会議(政協)と新年の到来を祝う会に出席して発言した。中国国営中央テレビ(CCTV)が伝えた。
21年の振り返りでは、11月の党の重要会議で習氏の権威を大幅に高める「歴史決議」を採決したと強調。22年は「平穏で健全な経済環境や、風通しの良い政治環境、国民が安心する社会環境の維持に力を入れ、党大会を迎える」として、経済政策に力を入れる考えを示した。
政協の新年会には党序列3位の栗戦書(リー・ジャンシュー)・全国人民代表大会(全人代)常務委員長(国会議長)が欠席した。最高指導部の欠席は異例だ。
新年を祝う会とは別の国民向け年頭所感も公表し、台湾政策に関して「祖国の完全な統一は両岸(中台)の同胞がともに願っていることだ」と主張した。21年の年頭所感にはなかった発言で、米欧の台湾問題への「介入」に譲らない考えを改めて強調した。
22年2月開幕の北京冬季五輪にも触れ、「世界は中国に期待し、中国は準備ができている」と話した。習指導部は五輪の成功で習氏の権威をさらに高め党大会につなげたい考えとみられる。
CCTVは21年に習氏がオンラインで協議した外国首脳らを映し出した。同年11月にバイデン米大統領とオンライン協議をしたが、ロシアのプーチン大統領やドイツのメルケル首相(当時)、フランスのマクロン大統領らとの協議を強調した。