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マレーシア国王、国会再開を命令 首相は入院

【シンガポール=中野貴司】マレーシアの上下院の議長は30日、アブドラ国王から8月1日までに国会を再開するよう命じられたと発表した。早期の国会再開に消極的だったムヒディン首相は30日、「下痢」を理由に入院した。国王と首相の意見の隔たりが覆い隠せなくなり、マレーシア政治の緊迫度は増している。

上下院議長の共同声明によると、29日の面会で国王が命じた。ムヒディン氏にも国王の意向は伝えられたという。マレーシアは8月1日まで非常事態宣言下にあり、ムヒディン氏はこれまで国会の再開時期が「9月か10月ごろ」になるとの見通しを示していた。国王の命令はムヒディン氏にとって、大きな圧力になる。

通常は内閣や大臣の助言に従って行動する国王が国会再開時期にまで介入するのは、マレーシアの議会政治が機能不全に陥っているためだ。新型コロナウイルスの感染者数は依然高止まりし、国王は経済や財政などの重要政策を国会で早期に議論する必要があると繰り返し主張している。

ムヒディン氏は首相不信任決議案の可決などによって政権が崩壊する懸念があるとみて、国会再開に難色を示す。2020年3月の政権発足当初から国会議員の過半数の支持を辛うじて確保する状態が続いてきたが、新型コロナの感染抑制に失敗し、求心力は一段と下がっている。ムヒディン氏はコロナ下の非常事態を理由に、国会再開を先送りしたい考えだった。

ムヒディン氏の容体は不明だが、入院から復帰後には国王の命令への対応方針をすぐに示す必要があり、国会の再開をいたずらに引き延ばすのは難しくなっている。国会の長期閉会には与党連合内からも批判がある。国会再開後に与党連合の複数の議員が離脱すると政権運営が行き詰まる可能性があり、ムヒディン氏は厳しい立場に追い込まれている。

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