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香港国安法で禁錮9年 国家分裂扇動などに厳罰

禁錮9年の判決を受けた唐英傑被告=AP

【香港=木原雄士】香港の高等法院(高裁)は30日、香港国家安全維持法(国安法)の国家分裂扇動罪とテロ活動罪に問われた男性に禁錮9年を言い渡した。同法による量刑宣告は初めて。通常の刑事事件に比べて重い刑罰となり、今後の司法判断の基準となる可能性がある。

実刑判決を受けたのは元飲食店従業員の唐英傑被告。国安法施行直後の2020年7月1日、大規模デモのスローガン「光復香港 時代革命(香港を取り戻せ 時代の革命だ)」の旗を掲げたバイクで警官隊に突っ込み、警察官を負傷させた。

裁判官は27日に「意図的に他人を扇動した」などとして、国家分裂扇動罪とテロ活動罪を認定、30日に量刑を言い渡した。国家分裂扇動罪は禁錮6年半、テロ活動罪を禁錮8年とし、一部の刑罰の同時執行を認めず合計で禁錮9年とした。裁判官は30日「罪を犯した被告の責任や、犯罪の抑止効果(に必要な期間)を考慮した」と述べた。

国安法の規定によると、国家分裂扇動罪は情状が重い場合は禁錮5~10年、テロ活動罪が重大な場合は終身刑か禁錮10年以上となる。今回、実質的な国安法の施行1日目となる20年7月1日に「光復香港」のスローガンを掲げた被告の行為は、重大な国家分裂の扇動行為とみなされた。

香港は暴動罪の最高刑が禁錮10年。白シャツの男らが19年にデモ参加者を集団で襲撃した事件も現時点の最高刑は禁錮7年だ。唐被告は罪状を否認し、弁護側も被告が後悔し、だれも重傷を負っていないとして、禁錮3~10年が妥当としていた。

これまでに国安法違反容疑で130人以上が逮捕され、うち76人が起訴された。民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏や、廃刊した香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏は国家政権転覆罪や外国勢力と結託して国家安全に危害を加えた罪に問われている。

日本で著名な活動家・周庭(アグネス・チョウ)氏は国安法違反容疑で逮捕されたものの、まだ起訴されていない。

唐被告の裁判は陪審員の参加が認められず、行政長官が指名した裁判官だけで判決を下した。香港の重大な刑事事件では陪審員の参加が一般的だ。今後の国安法の裁判でも厳罰が続く可能性がある。

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