インドネシア、コロナ行動制限を全土撤廃 大統領表明

【ジャカルタ=地曳航也】インドネシアのジョコ大統領は30日の演説で、新型コロナウイルスの対策の行動制限を同日、全土で撤廃すると表明した。集会や人の移動に制約はなくなる。国民には今後も感染対策を怠らず、屋内や閉鎖空間でのマスクの着用や、ワクチンの追加接種を続けるよう促した。
同国政府は2020年3月に新型コロナの感染が広がって以降、在宅勤務や商業施設に入場する際のワクチンの接種証明などの行動制限を断続的に打ち出してきた。ジョコ氏は27日時点の1日の感染者が100万人あたり1.7人まで減り、陽性率も3%強に抑えられていると説明して「感染拡大の制御と経済の安定に成功した」と主張した。
ジョコ氏は感染が急拡大している中国からの入国者への対策に関して記者団に聞かれ、現時点で講じる必要はないとの考えを示した。「私はすでに7月の血清調査でインドネシアの人口の98.5%が免疫を獲得していると発表した。ほかの国のように空港で改めてPCR検査を受けるなどの必要はない」と強調した。