フランス、EU域外と出入国禁止 変異種対策

【パリ、ベルリン=共同】フランス政府は29日、新型コロナウイルスの変異種による感染拡大の恐れが強まる中、欧州連合(EU)域外との出入国を31日から差し迫った必要のある場合を除き禁止すると発表した。EU域内からの入国は、一部を除き陰性証明が必要。ドイツ政府も、変異種が流行する英国や南アフリカなど7カ国からの入国禁止措置を決めた。チェコ政府も、不要不急の入国を30日から禁止する。
フランスは午後6時~午前6時の夜間外出を禁止しているものの、新規感染者が減少せず、1日当たり2万数千人が確認されている。専門家らは3度目の終日外出制限の導入は避けられないとの見方を示すが、カステックス首相は「まだ回避のチャンスがある」と述べた。
首相は出入国制限のほか、食料品販売を除く大型商業施設を31日から閉鎖するなど規制強化を発表。ただ、対応が不十分との声も上がっている。
ドイツの入国禁止の対象は英国、南アのほかアイルランド、ポルトガル、ブラジルなど。30日から順次適用し、2月中旬までを予定している。ドイツ人やドイツ在住者、医療従事者らは対象外。
ドイツは大規模な店舗閉鎖を実施。新規感染者は減少に転じつつあるが、変異種の感染者は少しずつ増えており、衛生当局は警戒を強めている。