エア・インディア、ビスタラと合併 タタ財閥傘下で再編

【ムンバイ=花田亮輔】インド大手財閥タタ・グループの統括会社であるタタ・サンズは29日、傘下の航空会社であるエア・インディアとビスタラを合併させると発表した。ビスタラはシンガポール航空との合弁として展開してきた。グループの航空事業をエア・インディアに集約して経営の効率化を進める。
当局などの承認を得て2024年3月の合併完了をめざす。エア・インディアが存続会社となり、合併完了後にはシンガポール航空がエア・インディアの株式を25.1%保有する見込みだという。タタはシンガポール航空との合弁として13年にビスタラを設立し、51%を出資していた。
エア・インディアはもともとタタのグループ会社として設立された。長らく国有化されていたが、タタが1月に再び傘下に収めた。タタは足元でエア・インディアを主軸に、航空事業の再編に動いている。
エア・インディアの最高経営責任者(CEO)には、シンガポール航空出身のキャンベル・ウィルソン氏を起用していた。エア・インディアは2日には、マレーシアのキャピタルA(旧エアアジア・グループ)とタタの合弁であるエアアジア・インディアの全株を取得すると発表していた。
タタ・サンズのナタラジャン・チャンドラセカラン会長は29日の声明で「ビスタラとエア・インディアの合併は、エア・インディアを真にワールドクラスの航空会社にする旅において重要なマイルストーン(道しるべ)だ」と述べた。