/

ミャンマー都市部 貧困率3倍に UNDP「中間層消える」

【ヤンゴン=新田裕一】国連開発計画(UNDP)は1日、クーデターや新型コロナウイルスによる混乱で2022年初頭にミャンマー都市部の貧困率が37.2%になるとする報告書を公表した。11.3%だった17年の3倍を超す水準となる。カニ・ウィグナラジャ・アジア太平洋局長は「経済回復を支える中間層が消滅してしまいかねない」と指摘した。

報告書ではクーデター以後の所得水準の変化を分析した。①自営業収入50%減②給与所得25%減③農業収入25%減④出稼ぎ労働者からの送金10%減――などと推定した。この結果、1日1590チャット(約100円)の貧困ライン以下で生活する人の比率は、国全体で46.3%となると予測した。

ウィグナラジャ氏は30日、日本経済新聞のオンライン取材に応じ「通常、中間層が経済回復の原動力となる。ミャンマーでは中間層の生活基盤が揺らいでいる」と述べた。縫製業や観光業の低迷、大規模建設事業の停止などで、多くの労働者が職を失ったり、収入が減ったりしたためだ。

UNDPが5~6月に実施した家計調査では、都市部の世帯の約3分の1が収入減を補うため貯蓄を切り崩し、このうち半数が「貯蓄を使い果たした」と回答した。バイクなど換金しやすい資産を手放す世帯も増えた。UNDPは自営業者を中心とする低中所得層への支援が経済回復のカギを握ると指摘した。

UNDPは4月、「貧困層が倍増し、全人口の半分近い約2500万人に達する恐れがある」とする報告書を発表した。今回は5~6月の家計調査の結果を加味し、政変に伴う所得水準への影響を再評価した。国全体では貧困率が17年時点の24.8%から倍増するとの結論はほぼ変わっていない。

4月時点では政変の影響が小さいとみられていた農村部でも所得が減少。農村部の貧困率は30.2%から49.9%に上昇する見通しだ。ウィグナラジャ氏は「国内各地で衝突が想定以上に長引き、農産品の市場やサプライチェーンが破壊されている」と述べた。

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

ミャンマー国軍は2021年2月1日、全土に非常事態を宣言し、国家の全権を掌握したと表明しました。 アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる政権を転覆したクーデターを巡る最新ニュースはこちら。

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません