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豪、5四半期ぶりマイナス成長 7~9月のGDP1.9%減

【シドニー=松本史】オーストラリア統計局が1日発表した7~9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)は、前期比1.9%減だった。新型コロナウイルスのデルタ型の感染拡大を受けた外出規制で個人消費が落ち込んだ。マイナス成長は2020年4~6月期以来5四半期ぶり。10~12月期は回復が見込まれるが、新たな変異型の影響など懸念も残る。

1.9%の減少率は四半期の統計を確認できる1959年以降で3番目の大きさとなった。7~9月期は最大都市シドニーですべての期間、メルボルンでも約2カ月間にわたりロックダウン(都市封鎖)が実施された。宿泊や飲食、娯楽といったサービス部門を中心に個人消費が前期比で4.8%の減少となり、全体を2.5ポイント押し下げた。

1日に記者会見したフライデンバーグ財務相は7~9月期、人口約2500万人の豪州で「約1300万人がロックダウン下にあった」と指摘した。そのうえでシドニーなどの規制が10月に解除され、同月の小売売上高が前月比4.9%増えたことに言及。「豪経済は力強く回復している」と強調した。

実際、市場では10~12月期はプラス成長に転じるとの見方が強い。豪AMPキャピタルのシニアエコノミスト、ダイアナ・モシーナ氏は個人消費が大幅に持ち直し、同期は「7~9月期の落ち込みを補って余りあるほどの回復をみせる」と指摘する。豪コモンウェルス銀行のエコノミスト、ギャレス・エアード氏も前期比2.5%成長を予測する。

ただ、新型コロナの変異型「オミクロン型」の広がりなど懸念も残る。豪州ではすでにアフリカ南部からの複数の帰国者から感染が確認されている。豪政府はオミクロン型を受け11月末、12月1日を予定していた留学生や技能移民、日本人渡航者らの受け入れ再開を同15日まで延期することを決めた。

留学生の支払う授業料や生活費はコロナ前、豪州の輸出全体の8%を占めた。20年3月から続く外国人の入国規制が長引けば、経済回復の足かせとなりそうだ。足元では主要輸出品である鉄鉱石の価格も軟調で、今年の最高値だった5月から5割以上下げている。

20年から関係が悪化し、豪農産品の輸入制限を続ける中国との関係改善も進んでいない。シドニー工科大学豪中関係研究所のジェームズ・ローレンスソン教授は11月末、ワインや大麦など中国が何らかの規制を行った12品目について、中国の豪州からの輸入額が21年1~9月、19年の同時期から計173億豪ドル(約1兆4000億円)減少したとの報告書を出した。

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