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北朝鮮、経済成長率4.5%減 制裁・新型コロナ響く

中朝境界を警備する北朝鮮軍兵士=共同

【ソウル=恩地洋介】韓国銀行(中央銀行)は30日、北朝鮮の2020年の実質国内総生産(GDP)が前年比で4.5%減少したとする推計を発表した。金正恩(キム・ジョンウン)体制下で最大の落ち込みとなった。経済制裁が長期化するなか、新型コロナウイルスや昨夏の水害が追い打ちをかけた。

韓国銀行は1991年から関連機関から取り寄せたデータを基に、北朝鮮の経済成長率を推計している。4.5%の減少幅は、飢饉(ききん)によって多数の餓死者を出した「苦難の行軍」の時期である97年(6.5%減)に次ぐ大きさだ。

落ち込み幅が最も大きいのは鉱業で、9.6%減だった。中国向けの無煙炭は主要な輸出品目の一つだったが、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した2017年に国連安全保障理事会の制裁で全面禁輸となり、20年は台風で鉱山が浸水する被害に見舞われた。

7.6%減となった農林漁業は、水害と新型コロナの影響を受けた。農産物は集中豪雨の被害が大きく、漁業は厳しい防疫措置の一環で出漁が制限された。

サービス業は4%減った。20年1月に中朝の境界を封鎖し、中国からの消費財の輸入や人の行き交いが滞った影響が大きい。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)によると、北朝鮮の20年の対外貿易総額は8億6300万ドル(約945億円)と、前年と比べ73.4%減った。

南北の格差も広がった。名目の国民総所得(GNI)は35兆ウォン(約3兆3千億円)で韓国の56分の1、1人当たりGNIは137.9万ウォンと同27分の1にとどまった。

北朝鮮は自らの経済指標を公開してこなかったが、国連に最近提出した「持続可能な開発目標(SDGs)」に関する報告書で、19年のGDPが335億400万ドルだったと明らかにした。15~19年に年平均で5.1%成長、国民1人当たりGDPは年平均4.6%成長したと主張している。

報告書は食糧や電力、医薬品の不足が深刻化していると認めた。自然災害や農業物資の不足などから18年の穀物生産量は495万トンと過去10年で最低を記録。19年は665万トンに増えたが、20年は台風や洪水の影響で、再び552万トンに落ち込んだと報告した。

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