中国と香港、7月4日からETF相互取引 市場活性化狙う

【香港=木原雄士】中国証券監督管理委員会(証監会)と香港証券先物委員会(SFC)は28日、7月4日から中国本土と香港の間で上場投資信託(ETF)の相互取引を始めると発表した。個別株式と債券で実施している制度を拡充し、中国・香港市場の活性化につなげる。
香港の投資家が中国本土のETF、本土投資家が香港のETFを売買できるようになる。対象となるETFはファンドの規模や構成銘柄によって決める。取引開始時点では本土の83本と、アジア最大級の「トラッカーファンド」を含む香港の4本が対象になる。
SFCのアシュリー・アルダー最高経営責任者(CEO)は「ETFハブとしての香港の成長や、グローバルな投資資金と中国をつなぐ役割の強化につながる」と指摘した。
中国本土と香港の間では2014年に株式相互取引(ストックコネクト)が始まり、17年には債券版のボンドコネクトも加わった。中国投資家にとって投資の選択肢が広がり、外国人投資家が中国に投資する際の有力な手段にもなっている。
もっとも、中国からの大幅な資金流出を避けるため、「南行き」と呼ばれる本土から香港への投資では対象銘柄が少ない。UBSは「当初のインパクトは限定的だが、いずれ海外株式のETFが対象になり、香港がグローバル投資の有力ルートになる」と指摘した。