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中国、軍事転用可能品の輸出規制強化 恣意的運用恐れも

【北京=川手伊織】中国政府は、軍事転用ができる製品の輸出について、エンドユーザーと用途に関する証明書類の提出を義務付ける。国家の安全や利益に基づいて、対象品目を決め、輸出相手国のリスク評価を行う。軍事製品の拡散防止につながるが、外交関係がこじれた相手国などに恣意的に適用するリスクは残る。

中国は戦略物資やハイテク技術の輸出管理を強化する輸出管理法を2020年12月に施行した。商務省が同法に基づき、軍事転用ができる製品の輸出管理条例をまとめた。このほどパブリックコメント(意見公募)にかけた。

同条例によると、政府は輸出先の国や地域のリスク評価を行う。国家の安全や利益のほか、外交政策上の必要性などに基づいて、リスク等級を定める。リスクが高い国・地域向けの輸出許可は厳格に審査するとみられる。

輸出規制をかける製品リストをつくる際の判断基準にも、国家の安全や利益を盛り込んだ。

同条例は「『総体国家安全観(総合的な国家安全のあり方)』を堅持しなければならない」と明記した。習近平(シー・ジンピン)国家主席が打ち出した概念だ。安全保障の対象が政治、国土、軍事、経済、文化、社会、科学技術、情報、生態、資源、核の11分野あり、範囲は広範だ。

軍事転用ができる製品の管理強化は、テロリストなどへの軍事製品の拡散を防ぐといった効果が期待できる。ただ対象品目の選定はこれからだ。当局が国家の安全など幅広い概念に基づいて判断するため、中国との関係が悪化した相手先を揺さぶるといった恣意的な対応への懸念は拭えない。

例えば、高性能磁石の製造などに使うレアアース(希土類)も解釈によっては輸出管理の対象になる可能性がある。輸出相手国のリスク評価も曖昧さが残る。

同条例は中国の輸出業者に対して、エンドユーザーとその用途に関する証明書類の提出を義務付ける。政府は必要に応じて、エンドユーザーが拠点を置く国や地方政府が発行する証明書の提出も求められるとした。

中国政府の承認を得ずに、規制対象の製品を第三者に譲渡することを禁じる。最終用途などを勝手に変更した海外の輸入業者やエンドユーザーは規制リストに登録する。これらの企業には、禁輸や輸出許可取り消しといった措置を科す。

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