中国CATL2割減益、電池原料高騰響く 22年1~3月

【広州=川上尚志】車載電池の世界最大手、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)が29日発表した2022年1~3月期決算は、純利益が前年同期比24%減の14億元(約290億円)だった。8四半期ぶりの減益だった。電池の主要材料であるリチウムなどの価格高騰が採算を圧迫した。
売上高粗利益率は14.5%で前年同期から約13ポイント下がった。CATLは「一部の材料価格が急速に上がりコストの増加を招いた」と説明する。中国の調査会社によると、電池用炭酸リチウムの中国での取引価格は3月に1トン当たり50万元を超え、1年前の約6倍になった。4月も40万元台後半で高止まりしており、今後も利益を押し下げる可能性がある。
売上高は2.5倍の486億元だった。主力の中国市場で電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など新エネルギー車の新車販売が、1~3月累計で前年同期比2.4倍に急増し、これらの新エネ車向けの電池の出荷が伸びた。
ただ、中国では3月以降に新型コロナウイルスの感染が拡大し、上海市などで都市封鎖(ロックダウン)が続く。自動車関連のサプライチェーン(供給網)が混乱しており、今後はEVなどの販売が減速し、電池の出荷にも影響する恐れがある。