香港金融サミットに米銀首脳 コロナ規制緩和アピール

【香港=木原雄士】香港の中央銀行にあたる香港金融管理局(HKMA)は29日、11月1~2日に開く「国際金融サミット」に米ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)ら金融関係者約200人が参加すると発表した。新型コロナウイルス規制の緩和をアピールし、金融都市の地盤沈下に歯止めをかけたい考えだ。
HKMAによると、銀行や資産運用会社、ヘッジファンドなど100以上の主要金融機関の幹部が集まる。米モルガン・スタンレーのジェームス・ゴーマンCEOや米シティグループのジェーン・フレーザーCEOなど首脳級も30人以上参加する。美術館での夕食会やパネルディスカッションを予定する。
香港は2020年以降、入境時の強制隔離など厳しいコロナ対策を続け、外資系金融機関が一部機能を香港外に移したり、金融人材が香港を離れたりする動きが出ていた。HKMAの余偉文総裁は「金融界のリーダーはほぼ3年間、香港を訪れるのが難しかった。(今回のイベントで)香港の特徴である回復力や活力を目にすることができる」と指摘した。
英シンクタンクZ/Yenグループが9月に発表した国際金融センター指数のランキングで香港はシンガポールに抜かれ4位に後退した。経済界の不満を受けて、香港政府は到着時の隔離規制を撤廃したが、「ゼロコロナ」政策を続ける中国本土との往来は制限されたままだ。