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中国、宇宙ステーション建設着手 基幹施設打ち上げ成功

(更新)
中国は宇宙ステーションの基幹施設をロケットで打ち上げた(29日)=新華社・共同

【北京=多部田俊輔】中国が独自の宇宙ステーションの建設に着手した。29日に基幹施設のロケットによる打ち上げに成功した。米中のハイテク分野での対立が続くなか、中国は宇宙でも米国に対抗できる「宇宙強国」をめざす。

中国国営中央テレビ(CCTV)によると、宇宙ステーションの基幹施設「天和」が29日午前11時20分すぎ(日本時間午後0時20分すぎ)、海南省の文昌宇宙発射場から大型ロケット「長征5号B」で打ち上げられ、予定の軌道に投入した。

習近平(シー・ジンピン)国家主席は29日、打ち上げ成功について「宇宙ステーションの建設は宇宙強国に導く重要なプロジェクトだ」と激励した。今後さらにロケットを10回打ち上げ、宇宙ステーション「天宮」を2022年に完成させる計画だ。

今回打ち上げた天和は長さ16.6メートルで、直径は4.2メートル。宇宙ステーション全体を制御するほか、宇宙飛行士が長期滞在できる居住エリアなどにもなる。22年に2つの実験施設を打ち上げて連結させ、110立方メートルの空間を持ち、6人が10日間の短期滞在、3人が長期滞在できるようにする。

今年は宇宙ステーション向けに宇宙補給船「天舟」と有人宇宙船「神舟」をそれぞれ打ち上げて、基幹施設「天和」とドッキングさせたり、宇宙飛行士の移動や軌道上で実験などを行ったりする。22年末までに完成させて、本格運用する。

米国のトランプ前政権は中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)などを標的とし、米中対立が激化した。バイデン政権も中国を「国際秩序に挑戦する唯一の競争相手」とする。「民主主義と専制主義の闘い」として対抗する決意を示し、対立は台湾海峡や南シナ海だけでなく、ハイテク分野でも先鋭化する。

対立は宇宙分野にも広がる。中国の宇宙開発は人民解放軍と表裏一体で、軍が宇宙開発を主導しているとみられる。今回の打ち上げも、軍事技術を統括する国家国防科技工業局の傘下で「軍工集団」と呼ばれる国有の軍系企業などがロケットや宇宙ステーションなどの基幹設備を開発する。

習近平(シー・ジンピン)指導部は30年までに米国、ロシアと並ぶ「宇宙強国」となる構想を掲げる。中国のハイテク産業育成策「中国製造2025」や、21~25年の5カ年計画で宇宙開発を科学技術の研究開発の重点分野としている。

中国は13年に旧ソ連、米国に続いて、無人探査機の月面着陸に成功した。19年には世界で初めて無人探査機を月面の裏側に着陸させ、20年には月の土壌サンプルの持ち帰りにも米国、旧ソ連に続き44年ぶりに成功した。

宇宙ステーションでも、日米欧ロが参加する国際宇宙ステーション(ISS)に中国は参加していない。ロシアもボリソフ副首相が25年以降にISSから離脱する意向を表明し、月面基地では中国と協力する方針だ。中ロが宇宙ステーション分野でも協力する可能性を指摘する声もある。

今年は中国共産党の結党から100年を迎えることから、習指導部は国威発揚を重視する。宇宙ステーションの建設着手に加え、5~6月には初めての火星探査機を着陸させる方針。「宇宙強国」に向けて歩を進めていることをアピールする。

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