中国恒大が利払い 29日期限の米ドル債、デフォルト回避

【香港=木原雄士】中国の不動産大手、中国恒大集団は29日(日本時間30日)に猶予期限を迎える米ドル債の利払いを実行した。関係者が明らかにした。利払い額は4520万ドル(約51億円)。29日分については債務不履行(デフォルト)を回避したもようだ。
恒大は23日が猶予期限だったドル建て債の利払いも直前に実行した。香港のネットメディア香港01によると、恒大トップの許家印氏は香港に所有する豪邸を抵当に入れて資金を借り入れ、恒大が債務保証する関連会社ジャンボ・フォーチュン・エンタープライゼズの社債償還に充てた。綱渡りの対応が続いているもようだ。
米格付け会社S&Pグローバルは27日付のリポートで「恒大はデフォルトに陥る可能性が高く、オフショア資本市場から多くの投機的格付けの企業が締め出されている」と指摘していた。金融市場では恒大の資金繰りになお懸念が根強い。
恒大は9月23日と29日が期限の米ドル債の利払いを見送り、30日間の猶予期限内に支払えないと、格付け会社からデフォルトと認定される見通しだった。